ユリ
私さ、薬剤師になって特別やりたいことがなかったから、とりあえず大手チェーン薬局に入ったんだ。ただ最近さ優秀な同期が次々辞めていっちゃってさ…このままでいいのかな?って不安になるんだよね。
薬剤師の仕事も今後は機械化されて必要なくなるかもしれないし。でも転職しようと思っても給料下がったり、ブラック薬局だったらどうしようと思って一歩が踏み出せないんだ
ユリ…
シロ
薬剤師のための就職・転職リテラシーについて
シロ
というわけでユリが落ち込んでいるんだけど、アドバイスくれないかな
うん、もちろんだよ。ただこの問題はシロの飼い主のユリちゃんだけじゃなく、多くの薬剤師が抱えている問題なんだ
クロ
この記事でも紹介しているように、今後、薬局薬剤師の業務内容は大きく変わるとともに再編していくんだ。
クロ
シロ
再編って具体的には?
国が掲げる「患者のための薬局ビジョン」に適合しない薬局は淘汰されていくとともに、薬局の機能も効率化されていき大手チェーンの寡占化がすすんでいくね
クロ
シロ
じゃあ大手チェーンで働いているユリはこのままでいいってことだね
うーん…そこは「うん」とは言い切れないところだね。
大手チェーンは確かに今後も生き残る可能性が高いんだけど、会社にしがみついている人が多いと、ユリちゃんにとっていい結果になるかどうかはわからないな
クロ
シロ
じゃあ、やっぱり転職を考えたほうがいいかな?
転職となる前に「これからの仕事と転職のルール」をしっかり理解したほうがいいよ
クロ
シロ
これからの仕事と転職のルールって?
自分の市場価値を高め、「いつでも転職できる状態」にしておくこと。
そのためにはまず自分の市場価値を考えてみなきゃね。
クロ
薬剤師としての市場価値を測るための質問
薬剤師としての市場価値を測るための質問はこちらを参考にしてみてね
クロ
- 職場を変えても、価値のあるスキルをどれだけ持っているか?
- そのスキルの「消費期限」はいつまでか?
- 他の職場でも通用する「レアな経験」がどれだけあるか?
- その経験は、世の中からどれだけニーズがあるか?
- 職場に、自分が環境を変えても喜んで力を貸してくれる人物がどれだけ存在するか?
- 社外に、自分のために喜んで力を貸してくれる人物がどれだけ存在するか?
- 薬剤師業界に今後の「成長性」はあるか?
- 今後、どれだけ「自分の市場価値」を高めることができるか?
若いうち(30代前半)は「専門性」を高めて、それ以降は「経験」をもっていることが重要になってくるからね。
これは「専門性」をもっていない人は「貴重な経験」を得る立場にはならないからという考え方からきているんだ
クロ
シロ
なるほど~
嫌なことがあったからとかの出来事で転職しちゃダメだからね。
クロ
転職支援サイト(転職エージェント)は登録する際の心得
シロ
やっぱり転職を考えた場合は、転職支援サイト(転職エージェント)に登録したほうがいいかな?
うん、自分の市場価値について考えたうえでなら登録することをオススメするよ。
ここをきちんと理解しないうえで登録するのはオススメしないけど…
クロ
シロ
なんで?
転職支援サイト(転職エージェント)のビジネスモデルとしては、早く求人企業に紹介して入社してもらって、紹介料をもらいたいという側面もあるわけだからね
クロ
シロ
つまり、求職者の「いつでも転職できる状態」にしてあげることは考えていないってこと?
うん、そういうところが多いんじゃないかな。
でも転職支援サイトが悪いわけではなくて求職者の多くが将来の市場価値を意識しないで、給与や休暇などの待遇を重視しているからなんだ。
だから転職支援サイトもきちんと吟味したほうがいいし、自分でもキャリアデザインを意識しておく必要があるよ
クロ
シロ
人材紹介のプロがいうことでも、なんでも鵜呑みにしたらダメってことだね。
ちなみにクロがオススメする転職支援サイトはどこなの?
マイナビ薬剤師とファルマスタッフだね。
一番利用者が多いのは、マイナビ薬剤師なので、迷ったらマイナビ薬剤師登録しておけばOK
ただ、出来るだけ複数登録しておくこと
クロ
マイナビ薬剤師とファルマスタッフは、職業紹介優良事業者認定を取得しているから他の転職支援サイトより評判や求人数が段違いにいいんだ
クロ
転職先の薬局をチェックするポイント
転職支援サイトから紹介された薬局も、自分の目でチェックしたほうがいいからね
クロ
また客観的なデータはここから調べられるからね
クロ
シロ
ここまでやるんだ…
さいごに
今回は、転職に悩む若手薬剤師に最低限知ってほしい知識をご紹介しました。
最近、医療業界ではリテラシーという言葉をよく用いているのですがご存じでしょうか?
「日本人はテレビや新聞の健康情報を鵜呑みにしていて、情報リテラシーが低い」などと言われておりますが、薬剤師の就職・転職リテラシーが低さが問題になっています。
冒頭のシロの飼い主のユリちゃんのように、薬剤師になってやりたいこともなく、なんとなく大きい会社に勤務している薬剤師も少なくありません。
そして些細なことがきっかけで転職を繰り返してしまう…
そんな薬剤師の方には是非とも薬剤師のための就職・転職リテラシーを高めて悔いのない薬剤師人生をすすんでいってもらえればと思います。
キャリアデザインとは、自らの職業人生を自らの手で主体的に構想・設計することです。
- 自分の経験やスキル、正確、ライフスタイルなどを考慮したうえで
- 実際、今後の薬剤師業界なども勘案しながら
- 仕事を通じて実現したい将来像やそれに近づくプロセスを明確に!
薬剤師としての市場価値を理解しよう!
調剤の外部委託、業界の再編、零売の規制、Amazon薬局など、薬剤師を取り巻く環境が大きく変化しています。
これから先、必要とされない薬剤師にならないようにまずは自分の市場価値を理解しましょう。