こんな薬局で働くのは嫌だ⑤~私にだけ嫌がらせをしてくる【パワハラ】~

8 min

薬剤師が悩む職場の人間関係、特にパワハラ・嫌がらせの実態と対策。2025年最新の法律対応も含め、パワハラに悩む薬剤師のための転職・解決法を徹底解説します。

目次

パワハラが薬剤師を悩ませる現状と解決策

薬剤師の転職理由として常に上位に挙げられる「人間関係の問題」。特に私にだけ嫌がらせをしてくるようなパワハラは、心身の健康を著しく損ない、仕事のパフォーマンスにも大きく影響します。私も薬剤師として10年以上の経験の中で、さまざまな職場環境を見てきましたが、パワハラ問題は薬局・病院どちらでも起こり得る深刻な問題です。

薬局でのパワハラって、意外と多いんだよね。特に最近は薬剤師不足で現場が疲弊してるから、余計にストレスが溜まってるんだ。

クロ

クロ

シロ

シロ

そうなの?私、もし嫌がらせされたらどうしたらいいのかな?

まずは一人で抱え込まないことが大事だよ。今日はパワハラの実態と対策について詳しく話していくね!

クロ

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薬局でよく見られるパワハラの形態と実例

パワハラの種類よくある事例2025年の法的位置づけ対応策シフト差別自分だけ遅番が多い・休日出勤が多いパワハラ防止法で明確に禁止記録を取り人事や上層部に相談業務の押し付け一包化や問題患者対応を常に担当させられる「過大な要求」に該当マニュアル化や輪番制を提案有給取得妨害有給休暇申請に嫌味を言われる労働基準法違反の可能性労働基準監督署への相談も検討孤立化・無視コミュニケーション拒否、情報共有しない「人間関係からの切り離し」に該当第三者立会いの場での話し合い精神的攻撃患者の前で叱責、能力否定の発言「精神的な攻撃」に該当発言を録音・記録し証拠保存

2024年の厚生労働省の「職場のハラスメントに関する実態調査」によると、全労働者の約5人に1人が過去3年間にパワハラを受けた経験があると回答しています。

パワハラが発生する原因と薬局特有の問題点

なぜ薬局でパワハラが起きやすいのか?

シロ

シロ

なんでそんな嫌がらせがおきるの?

こういう嫌がらせは何も薬局だけに限ったことではないからね。ただ薬局は狭い空間で長時間一緒に働くので、人間同士の合う合わないが出やすいんだと思うよ。

クロ

クロ

薬局でパワハラが発生しやすい環境要因には、以下のような特徴があります:

  1. 閉鎖的な空間での長時間労働
    • 薬局は比較的狭いスペースで同じメンバーが長時間働く環境
    • 人間関係のトラブルが生じた場合、逃げ場がない状況が続く
  2. 業務ストレスの高さと人手不足
    • 2025年現在、薬剤師不足が深刻化し現場の疲弊が進行
    • 厚生労働省の予測では2045年には逆に12.6万人の薬剤師過剰になるという矛盾
    • 現場の混乱からくるストレスが部下や後輩へのハラスメントに転嫁されることも
  3. 薬剤師特有の職場構造と複雑な力関係
    • 管理薬剤師と一般薬剤師の権限格差
    • 女性比率が高く(約60%)、多様なライフステージの薬剤師が混在
    • 経験や現場知識に基づく「実質的な力関係」が組織図と一致しないケース (例:大手チェーンで若手管理薬剤師に対し、長年勤務しているベテランパート薬剤師が情報共有しない、やり方を教えない、「若いくせに」と発言するなど)
  4. 医療現場特有の厳格な上下関係
    • 医療の現場では責任の重さから厳格な指導が「必要」と誤認される風潮
    • 「指導」と「パワハラ」の境界が曖昧になりがち

男性上司と女性上司でのパワハラの特徴

シロ

シロ

男性上司や女性上司、どっちで多いとかあるの?

どっちもどっちって感じ。でも形は少し違うことが多いね。

クロ

クロ

傾向的な特徴男性上司のパワハラ女性上司のパワハラよくある形態声を大きくしての叱責、威圧的な態度陰口、仲間外れ、冷遇など間接的な攻撃発生しやすい状況業務の失敗時、繁忙期のストレス下人間関係の構築過程、特定の人を標的に対応のポイント毅然とした態度で冷静に対応味方を作り孤立を防ぐ

ただし、これはあくまで傾向であり個人差が大きいことに注意が必要です。パワハラの形態は加害者の性別よりも、個人の性格や職場環境に大きく影響されます。

2025年最新のパワハラ対策と法的保護

2022年4月から全ての企業でパワハラ防止法が義務化され、2025年はさらに対策が強化される年です。特に2025年から変わる点を把握しておきましょう。

2025年に注目すべきパワハラ・カスハラ関連法改正

  1. 東京都カスハラ防止条例の施行(2025年4月1日〜)
    • 全国初のカスタマーハラスメント防止条例
    • 薬剤師が患者からのハラスメントを受けた際の保護規定も含む
  2. 厚生労働省によるカスハラ対策義務化の検討(2025年通常国会提出予定)
    • 労働施策総合推進法改正案によりカスハラ対策の義務化が検討中
    • 従業員保護のためのマニュアル作成や相談体制の整備が義務付けられる見込み
  3. パワハラ防止法のさらなる強化
    • 施行後の課題を踏まえた改正検討
    • 罰則規定はないものの、企業名公表などのペナルティ強化
  4. 日本薬剤師会の「クレーム対応費用保険」の開始
    • カスハラ対策として保険制度を活用可能に

薬剤師のためのパワハラ対応マニュアル

シロ

シロ

もし、嫌がらせされたらどうしたらいい?

メンタルがやられる前に逃げる。大手なら、もっと上に相談して違う店舗に!個人や小さい所で対応してくれない場合は、転職検討!

クロ

クロ

シロ

シロ

えっ?そこまでしなきゃダメ?

パワハラだからね!!薬局に勤務していた医療事務がパワハラで自殺した事件もあったから、耐えるとかしていると心が持たないよ。

クロ

クロ

パワハラに対して効果的に対応するための手順は以下の通りです:

  1. 証拠を集める
    • 日時・内容・状況を細かく記録する
    • 可能であれば録音や証人を確保(2025年時点で録音は法的に有効な証拠)
    • メールやメッセージなどの文書は保存
  2. 社内での解決を試みる
    • 信頼できる上司や人事担当者に相談
    • 社内のハラスメント相談窓口を利用
    • 大手チェーンの場合は本部への相談も検討
  3. 外部の相談窓口を活用
    • 各都道府県労働局の総合労働相談コーナー
    • 労働基準監督署
    • 薬剤師会の相談窓口
  4. メンタルヘルスケア
    • 産業医や専門カウンセラーへの相談
    • ストレスチェックの活用
    • 必要に応じて休職も検討
  5. 最終手段としての転職
    • パワハラ環境からの脱出が最優先
    • 転職エージェントの活用(薬剤師専門のエージェントがおすすめ)
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実際にあったパワハラ事例と解決策

事例1:私だけに嫌な業務を押し付けられる

A薬局で働く薬剤師Bさん(30代女性)は、毎日のように一包化や在宅業務など手間のかかる業務ばかりを任されていました。他の薬剤師は比較的楽な業務を担当し、休憩も取れていましたが、Bさんだけが常に忙しく休憩も取れない状況が続いていました。

解決策: Bさんは業務の偏りを記録し、管理薬剤師に相談。改善が見られなかったため、本部の人事部に状況を報告。結果、業務の公平な分担ルールが導入され、状況が改善しました。

事例2:有給休暇を申請しても嫌味を言われる

C病院の薬剤部で働くDさん(20代男性)は、有給休暇を申請するたびに上司から「忙しいのに休むの?」「みんな迷惑してるよ」などと言われ続けていました。

解決策: Dさんは上司の発言を記録し、病院の人事部および労働基準監督署に相談。労働基準監督署からの指導もあり、病院全体の有給取得促進策が導入されました。

事例3:管理薬剤師による公開叱責

E薬局の管理薬剤師は、スタッフが少しでもミスをすると患者の前で大声で叱責することが常態化していました。若手薬剤師Fさんは特に標的にされ、精神的に追い詰められていきました。

解決策: Fさんは同僚の証言も集め、薬局チェーンの本部に相談。調査の結果、管理薬剤師は別店舗に異動となり、店舗全体でのコミュニケーション研修が実施されました。

事例4:経験によるパワーバランスが生み出すハラスメント

G薬局では、新たに店舗の管理薬剤師となった20代後半のHさんが、10年以上その店舗で働いている50代のパート薬剤師数名からハラスメントを受けていました。Hさんに対して必要な業務のやり方を教えなかったり、患者情報を共有しなかったり、他のスタッフの前で「若いくせに何もわかってない」と発言するなど、管理薬剤師としての立場を脅かす行為が続いていました。

解決策: Hさんは状況を詳細に記録し、チェーン本部の人事部に相談。また、信頼できる先輩管理薬剤師にメンターとしてサポートを依頼。本部からは店舗へのヒアリングと研修が実施され、問題のパート薬剤師には個別面談が行われました。さらに、店舗運営のルールと情報共有プロセスが明文化され、個人に依存しない業務体制が構築されました。

2023-2025年に注目された薬局パワハラ訴訟事例

最近注目された薬局でのパワハラ関連訴訟について紹介します:

  1. 千里プラス薬局パワハラ自殺事件
    • 薬局に勤めていた医療事務職員がパワハラにより自殺
    • 体重を薬局待合室に張り出されるなどの行為が問題に
    • 2024年に損害賠償請求が認められる判決
  2. 都立病院薬剤師残業代・パワハラ訴訟
    • 有給休暇申請の妨害や残業代未払いが争点に
    • 1年目の職員に「夜勤の練習」と称して当直勤務を命じた点も問題視
    • 労働基準監督署の是正勧告につながった事例

職場のパワハラを防ぐための組織対策

パワハラは個人の問題だけでなく、組織文化の問題でもあります。薬局や病院などの医療機関が組織としてパワハラを防止するための対策を紹介します。

  1. 明確なハラスメント防止方針の策定
    • 組織としてのゼロトレランス(一切の容認をしない)方針を明示
    • 具体的な禁止行為と罰則の明確化
  2. 相談窓口の設置と周知
    • 匿名で相談できる仕組み
    • 外部委託の相談窓口導入も効果的
  3. 定期的な研修の実施
    • 管理職向けのハラスメント防止研修
    • 全スタッフ向けのコミュニケーション研修
  4. 風通しの良い職場環境づくり
    • 定期的な1on1ミーティングの実施
    • チームビルディング活動の推進
  5. 労務管理の適正化
    • シフト作成の透明性確保
    • 業務分担の公平性担保

これらの対策は、2025年のパワハラ・カスハラ対策の法改正を見据えて、今から準備しておくことが重要です。

パワハラされたらどう転職する?薬剤師の安全な職場の選び方

パワハラ被害者が安全に転職するためのステップ

シロ

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転職するとしても、次の職場でまたパワハラされたら嫌だな…

そうだね。次の職場を選ぶときは、ハラスメントに対する取り組みをしっかりチェックすることが大事だよ!

クロ

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パワハラを理由に転職する場合、以下のステップで安全に進めましょう:

  1. 在職中に転職準備を進める
    • 精神的・経済的安定を確保
    • 焦らず計画的に進める
  2. 薬剤師専門の転職エージェントを活用
    • 複数のエージェントに登録
    • パワハラ被害について正直に伝える
    • ブラック企業の情報を得る
  3. 面接での確認ポイント
    • 離職率や平均勤続年数
    • 有給休暇取得率
    • ハラスメント対策の具体的な取り組み
    • 人間関係の雰囲気
  4. 職場見学・職場体験の実施
    • 可能であれば実際の雰囲気を確認
    • 現場スタッフとの会話で実情を探る
  5. 退職交渉と円満退職
    • 退職代行サービスも選択肢に
    • 引き継ぎは丁寧に行い、評判を落とさない

薬剤師がパワハラリスクの低い職場を見極めるポイント

パワハラリスクの低い職場には、以下のような特徴があります:

  1. 透明性の高い経営方針
    • 経営理念や行動指針が明確
    • 業務マニュアルが整備されている
  2. コミュニケーションの活発さ
    • 定期的なミーティングの実施
    • 意見を言いやすい雰囲気がある
  3. 働き方の柔軟性
    • 多様な勤務形態に対応
    • ワークライフバランスを重視
  4. 教育・研修制度の充実
    • 新人教育プログラムの整備
    • 継続的な専門スキル向上支援
  5. 評価制度の公平性
    • 成果や貢献の評価基準が明確
    • フィードバックが定期的に行われる

よくある質問(FAQ)

Q1: パワハラとただの厳しい指導の違いは何ですか?

A1: パワハラと指導の違いは「目的」「手段」「結果」に現れます。指導は相手の成長を目的とし、業務上必要な範囲内で行われ、結果として能力向上につながります。一方、パワハラは相手の人格を否定し、業務の適正範囲を超え、精神的苦痛や職場環境の悪化をもたらします。2025年現在、法的にも「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」がパワハラと定義されています。

Q2: パワハラの証拠を集める際の注意点は?

A2: 証拠収集では、日時・場所・内容・同席者を詳細に記録することが大切です。録音する場合は、一部の都道府県では会話の一方的な録音が制限されている可能性もあるため注意が必要です。また会社のパソコンやメールを使用して証拠を集める場合は、情報セキュリティポリシーに違反しないよう気をつけましょう。証拠は自宅のプライベートな場所に保管することをお勧めします。

Q3: 薬剤師がパワハラで精神疾患になった場合、労災は適用されますか?

A3: はい、パワハラが原因で精神疾患を発症した場合、労災保険の適用対象となります。2020年6月のパワハラ防止法施行以降、認定基準も明確化されています。申請には医師の診断書のほか、パワハラの事実を証明する証拠が必要です。症状が出た段階で早めに専門医を受診し、産業医や労働基準監督署に相談することをお勧めします。

Q4: パワハラ加害者に対して、刑事告訴はできますか?

A4: パワハラ行為自体を直接罰する刑事罰はありませんが、暴行、傷害、脅迫、名誉毀損など刑法違反に該当する行為があった場合は刑事告訴が可能です。また2025年現在、東京都ではカスハラ防止条例が施行され、悪質なケースでは行政指導の対象になります。いずれの場合も証拠の保全が重要です。

Q5: 転職しようにも薬剤師としての自信を失ってしまいました。どうすればよいですか?

A5: パワハラによる自己肯定感の低下は多くの被害者が経験する問題です。まずは専門家(カウンセラーや医師)に相談し、メンタルケアを優先しましょう。次に薬剤師としての専門性を再確認するため、オンライン研修や勉強会に参加することも効果的です。薬剤師専門のキャリアカウンセラーに相談し、自分の強みや適性を客観的に分析してもらうことも自信回復につながります。2025年は薬剤師の働き方が多様化しており、パワハラリスクの低い職場環境も増えています。

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まとめ:パワハラのない職場環境を目指して

パワハラは個人の問題ではなく、職場環境や組織文化の問題です。薬剤師一人ひとりがハラスメントに対する正しい知識を持ち、予防と対策に取り組むことが大切です。

シロ

シロ

パワハラって本当に怖いね。でも対策をちゃんと知っておけば、自分を守ることができるんだね!

そうだよ。何より大事なのは、「おかしい」と感じたら早めに相談すること。一人で抱え込まないでね。

クロ

クロ

2025年は、東京都カスハラ防止条例の施行や厚生労働省によるカスハラ対策義務化の検討など、ハラスメント対策が強化される年です。これらの法整備を追い風に、薬剤師業界全体でハラスメントのない健全な職場環境づくりを進めていくことが求められています。

パワハラに悩む薬剤師の皆さん、あなたは一人ではありません。専門家や信頼できる人に相談し、安心して働ける環境を手に入れましょう。そして薬剤師としての専門性を活かし、患者さんのために貢献できる職場で、やりがいを持って働ける日が必ず来ます。

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