
目次
本日の文献
ファビピラビルの臨床第三相試験 インフルエンザを対象としたオセルタミビルリン酸塩との非劣勢試験
~多施設共同、動的割り付け、二重盲検試験~
本サイトの論文要約について
本サイトでは、日々の情報収集としての医学文献の読み方でタイトル、背景、結論の3つだけを読むことをオススメし、私自身も実践しています。

日々、しっかりと論文を批判的吟味している方からすると内容が十分ではありませんがご了承ください。
【レベル1】アブストラクトをポイントに絞って読む

論文化されていないため、省略
【レベル2】アブストラクトをPICOでまとめてみる

P(どのような患者に)
20~75歳のインフルエンザ罹患患者 (迅速検査キット陽性、38℃↑、咳、咽頭痛、頭痛、鼻閉、熱感、倦怠感、筋肉痛の7症状の2つ以上有する)762人
I(どんな介入をすると)
ファビピラビル(初日1回目1200㎎、2回目400㎎、2~5日は1日2回、1回400㎎)5日間、379人
C(何と比較して)
オセルタミビル(1回75㎎、1日2回)5日間、383人
O(どのような結果になるか)
インフルエンザ主要症状の罹病期間(7症状がすべて改善になるまでの時間)
その他の補足事項
第三相試験、非劣性試験
結果はどうだったか?
オセルタミビルに対するファビピラビルの罹病期間のHR:0.955(0.815~1.118)
事前に定められた非劣性マージンは0.784なので、ハザード比の0.815で上回っているため、オセルタミビルとの非劣性が認められた
評価項目 | ファビピラビル (アビガン) | オセルタミビル (タミフル) | 差 |
---|---|---|---|
罹病期間 | 55.4(50.4~62.5) | 47.8(44.4~55.8) | 7.7(-2.2~15.3) |
有害事象 | 31.7% | 26.3% | |
副作用 | 19.8% | 15.0% |
ファビピラビルで目立った副作用は血中尿酸値上昇が5.6%(21/378)、下痢が3.7%(14/378)
論文を読んだ感想
今、新型コロナウイルス感染症の治療薬として、日本では大変注目されているアビガン錠…
ただ国内第三相試験でが、オセルタミビルに劣っている印象だったがギリギリ非劣性。
アメリカでの第二相ではプラセボと有意差がついていないため、作用機序が素晴らしくてもあまり期待できない印象ですね…

管理人
今回読んだ医学論文
ファビピラビルの臨床第三相試験 インフルエンザを対象としたオセルタミビルリン酸塩との非劣勢試験
~多施設共同、動的割り付け、二重盲検試験~